気ままな数学ノート

「調べても分からない」に寄り添う

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【絶対値記号を2つ含む式の外し方】場合分けは数直線で考えると分かりやすい

 ◎問題

 |x-2|+|x-5| の絶対値記号を外しなさい

それぞれの絶対値について場合分け

|x-2| について

 |x-2|

 x-2\geqq0 つまり, x\geqq2 のとき

   |x-2|=x-2

 x-2\lt0 つまり, x\lt2 のとき

   |x-2|=-(x-2)=-x+2

よって

   x\geqq2 のとき  |x-2|=x-2

   x\lt2 のとき  |x-2|=-x+2

この場合分けを数直線で表すと

|x-5| について

 |x-5|

 x-5\geqq0 つまり, x\geqq5 のとき

   |x-5|=x-5

 x-5\lt0 つまり, x\lt5 のとき

   |x-5|=-(x-5)=-3x+5

よって

   x\geqq5 のとき  |x-5|=x-5

   x\lt5 のとき  |x-5|=-x+5

この場合分けを数直線で表すと

それぞれの場合分けをまとめる

  |x-2| は2以上かどうか,  |x-5| は5以上かどうかで絶対値の外し方が変わることが分かりました

これをまとめると

x\lt2 のとき

  |x-2|+|x-5|=-(x-2)-(x-5)

2\leqq{x}\lt5 のとき

  |x-2|+|x-5|=(x-2)-(x-5)

5\leqq{x} のとき

  |x-2|+|x-5|=(x-2)+(x-5) 

と場合分けができますね

よくある疑問「なぜ4パターンでは無いのか?」

この4つ目がないのでは?

と疑問に感じるときは,先ほどの数直線で考えてみましょう

4つ目の場合分け

  |x-2|+|x-5|=-(x-2)+(x-5)

となるのは,x5 以上で 2 未満になるとき

つまり, 5\leqq{x}\lt2 のときですが

これを満たす数は存在しないため,この場合分けになることはありません

さいごに

絶対値の場合分けを考えるときは,ひと手間増えてしまいますが

数直線を書いて視覚的にとらえたほうが分かりやすくなるのではないでしょうか