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【整式の割り算】あまり(ax^2+bx+c)をさらに割るって…なんだ??

◎問題

P(x)を(x-1)(x+2)で割ったときのあまりが 7x

P(x)を(x-3)で割ったときのあまりが 1 であるとき, 

P(x)を(x-1)(x+2)(x-3)で割ったときのあまりを求めなさい

この問題の解答

この問題の解答はこちらをご覧ください

今回はこの解法2で出てくる

 「 P(x)(x-1)(x+2) で割ったときの余りは,

 ( P(x)(x-1)(x+2)(x-3) で割ったときの余りである)

  ax^2+bx+c(x-1)(x+2) で割ったときの余りと等しくなる

について解説します

数字から考える「余りをさらに割る」

 235 という数を 12040 で割ったときの余りについて考えます

235の中には40が何個入っているか

 235\div40=5 あまり 35 を変形して

  235=40×5+35

 235 の中には 405 つ, 351 つ入ると考えられる・・・①

235÷120 の余りの中に 40 が何個入るか

 235\div120=1 あまり 115  これを変形して

  235=120\times1+115

これを, 40 を用いて表すと

  235=120×1+115 は,

  235=40×3×1+115

 この式から, 235 の中には 403 つはありそうなことが分かります

 ① から「 235 の中には 405 つ, 351 つ入ると考えられる」ので

 余りである 115 の中にあと 2 つの 401 つの 35 が入っていると言えますね

文字で考える「余りをさらに割る」

ここからは,具体例の数字を問題に当てはめます

上の話での

  235P(x)

  120(x-1)(x+2)(x-3) 

  40(x-1)(x+2) 

として考えていきましょう

P(x)の中に(x-1)(x+2)が何個あるか

 P(x)\div(x-1)(x+2)=Q_1(x) あまり 7x を変形して

  P(x)=(x-1)(x+2)Q_1(x)+7x

 P(x) の中にはいくつかの (x-1)(x+2)1 つの 7x があると考えられる・・・②

P(x)の中に(x-1)(x+2)(x-3)が何個あるか

 P(x)\div(x-1)(x+2)(x-3)=Q_2(x) あまり ax^2+bx+c

として,これを変形すると

  P(x)=(x-1)(x+2)(x-3)Q2(x)+ax^2+bx+c

② から「 P(x) の中にはいくつかの (x-1)(x+2)1 つの 7x があると考えられる」ので

  ax^2+bx+c の中に 1 つの 7x といくつかの (x-1)(x+2) があると言えますね

よって,

  ax^2+bx+c\div(x-1)(x+2)=a あまり 7x

と考えることができます

さいごに

ユークリッドの互除法にも「あまりをさらに割る」という考え方がありましたが,

割り算を考えるのが難しくなるときには,「〇〇が何個と◇◇が1つある」のように考えられるといいですね