問題集や参考書で見かける
「重解のとき であるから...」
この一文に ??? となってしまう人も多いのではないでしょうか。
今回はこの が,どこから出てきたのか。
下の◎問題を使って考えていきます。
mの値を 2 次方程式に代入してxを求める方法
解)
この 2 次方程式の判別式を とすると
2 次方程式が重解をもつのは, のときであるから
よって,
これを解いて,
のとき,
2 次方程式 ① は
つまり, であるから
のとき,
2 次方程式 ① は
つまり, であるから
重解の公式-b/2aをつかう方法
別解)
この 2 次方程式の判別式を とすると
・・・・(省略)・・・・
これを解いて,
また重解は であるから
のとき , のとき
と値を求めることもできる。
-2/mってなんだ?
なんて公式を知らなくとも, の値を元の 2 次方程式に代入すれば の値を求めることができます。
では, はどこからやってきたのでしょうか?
考えるためのポイント
ポイントは 2 つあります。
① 判別式 は,解の公式の √ の中身であること
② 「2 次方程式が重解を持つ」のは
2 次方程式の判別式 が であること
実際の考え方
例えば 2 次方程式 ・・・② の解を求めるとき,
この 2 次方程式を変形して
よって (重解)
因数分解が難しいときは,解の公式
から
と求めることもできました。
ここでは,”重解”という言葉からわかるように,解が の1つだけになっていますね。
つまり,解が1つなら解の公式を使ったときの √ の中身が 0 になっているはずだ!!ということに気が付きます。
※ もし,√ の中身が 0 でないときは ※
※ のように解が 2 つになってしまいます。 ※
【結論】√の中身が 0 ということは
話を◎問題に戻すと,
2 次方程式 ・・・① が重解を持つということは,
① の判別式 が の形になる。
つまり ① に対して解の公式を使うと, √ の中身が 0
となるので,初めから √ をなくした を考えれば良い。
これが謎の一文「重解のとき であるから...」の正体でした。
まとめ
いかがでしたか?
という公式を知らずとも,重解を求めることはできますが,知っていると計算のスピードが上がるのではないでしょうか。