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【整式の割り算】P(x)を(x-1)(x+2)(x-3)で割ったときのあまりの求め方2パターン

◎問題

P(x)を(x-1)(x+2)で割ったときのあまりが 7x

P(x)を(x-3)で割ったときのあまりが 1 であるとき, 

P(x)を(x-1)(x+2)(x-3)で割ったときのあまりを求めなさい

解答1.剰余の定理を使った解法

 P(x)(x-1)(x+2)(x-3) で割ったときの商を Q_1(x),余りを ax^2+bx+cとすると

  P(x)=(x-1)(x+2)(x-3)Q_1(x)+ax^2+bx+c ・・・① と表せる

 P(x)(x-1)(x+2) で割ったときの商を Q_2(x) とすると,あまりが 7x であるから

  P(x)=(x-1)(x+2)Q_2(x)+7x

よって,

  P(1)=7,P(-2)=-14

また, P(x)(x-3) で割ったときのあまりが 1 であるから

  P(3)=1

① と P(1)=7,P(-2)=-14,P(3)=1 から

  {\displaystyle \begin{eqnarray} \left\{ \begin{array}{l} a+b+c=7 \\ 4a-2b+c=-14 \\ 9a+3b+c=1 \end{array} \right. \end{eqnarray} }

 これを解いて,a=-2,b=5,c=4

 従って,求める余りは -2x^2+5x+4

解答2.余りをさらに割る解法

 P(x)(x-1)(x+2)(x-3) で割ったとき商を Q_1(x),余りを ax^2+bx+cとすると

  P(x)=(x-1)(x+2)(x-3)Q_1(x)+ax^2+bx+c ・・・① と表せる

ここで,

  (x-1)(x+2)(x-3)Q_1(x)(x-1)(x+2) で割り切れるので

  P(x)(x-1)(x+2) で割ったときの余りは,

 ( P(x)(x-1)(x+2)(x-3) で割ったときの余りである)

  ax^2+bx+c(x-1)(x+2) で割ったときの余りと等しくなる

よって,

  ax^2+bx+c=a(x-1)(x+2)+7x ・・・② と表せる

このことを用いると ① は

  P(x)=(x-1)(x+2)(x-3)Q_1(x)+a(x-1)(x+2)+7x ・・・③

また, P(x)(x-3) で割ったときのあまりが 1 であるから

  P(3)=1 となる

よって ③ は

  P(3)=a(3-1)(3+2)+7・3=10a+21=1

 ゆえに  a=-2

 ② から

  ax^2+bx+c=-2(x-1)(x+2)+7x=-2x^2+5x+4

さいごに

余りを更に割るの考え方は

こちらの記事をご覧ください